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メルマガ第6号(2019年10月)

日下部・グリフィス基金メルマガ会員の皆さま

 前々号では、150年前の1869年9月17日、26歳の誕生日を迎えたグリフ
ィスは、お姉さんのマギーと一緒に約3ヶ月間ヨーロッパを旅行していた最中で、そ
の日にはストラスブールやハイデルベルグを訪れていたことをご紹介しました。これ
は後年の日記の記述から分かったことで、その旅行当時の日記は残っていないようだ
と申し上げましたが、よくご存じの方からご指摘をいただき、福井大学図書館のデジ
タル版グリフィスコレクションを探してみましたら、なんとそのヨーロッパ旅行の間
中グリフィスがノートに書き付けた旅行日誌がありました!

 ハイデルベルグなどプロイセン(今のドイツ)のあと、オーストリー、スイス、そ
れから再度フランスを経て、オランダから、イギリスの北海側に船で渡り、鉄道でヨ
ークなどを通ってスコットランドのエジンバラ、そして9月末にはグラスゴーへと、
延々と大旅行が続きます。飛行機はもちろん、まだ自動車も開発途上の当時としては
大変な旅程だったと思われます。そしてグラスゴーからアメリカに帰国するために大
西洋航路の汽船に乗ります。グリフィスによれば汽船の名前は「ブリタニア」で、こ
の絵のような型の船だったと思われます。

 9月29日に出港、30日には、相客の人たちとの楽しい歓談や歌の夕べなどのこ
とを書いています。そして、150年前の今日、1869年10月1日の日誌がこれ
です。

文学好きで多感な青年グリフィスの面目躍如です。訳してみました。

  マッケンジー師の「スコットランドの歴史」を読んだ。夕食のあと数時間デ
 ッキにいた。日没前、雲の間に切れ目があって、そこの夕焼けの中に見えた形
 は、海岸べりの城と教会の尖塔のように思われた。マケズニー夫人は、ウーラ
 ントの「海辺の城」のロングフェローによる訳を読んだ。今朝6時には、船室
 で女の子が生まれた。それがロングフェローの詩「二人の天使」を思い起こさ
 せた。(訳者注:二人の天使は生と死を象徴)

理事長
細谷龍平

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